昭和7年生まれの2人が初対面。
その瞬間から、理屈ぬきで親しみを感じ合える 「ソウルメイト」として、対話は静かに進んでいきました。
いま年間約3万2千人もの自殺者を生んでいる「豊かな」日本。
そんな中で、現代人は何を失ってしまったのか。
その真相が、貧しく苦難に満ちていた2人の青少年時代との対比の中に、また、日本人の精神的バックボーンを形作ってきた仏教思想をたずねる中で浮き彫りにされていきます。
五木氏は、「いま、井戸を掘らなければいけないのは、アフガンの荒野もそうだけれど、日本人の渇ききった『こころ』にこそ井戸を掘り、水分を含んだ?みずみずしい『こころ』を取り戻す必要がある」と本書に述べています。
作家・五木寛之として歩んできた道とその出発点となった凄まじいまでの戦争体験。「他力」という生き方
一方で、京セラ創業前夜から今日に至るまでの実業家・稲盛和夫氏が歩んできた道と、仏道修行のことなど。
お互いの飾らぬ言葉で、人生の真実が語られていきました。
稲盛氏は、「運命はこころのありようによって変えられる。
こころが呼ばないものは、決して周囲に現象として現れない。
それが真理というものではないかと思っています。
だから、こころをまず美しく変えていくことが大事なのではないかと思うのです」と述べています。
「自力か他力か、人生の目的は何か」
一流の2人が人生の根源的テーマにせまった本格的人生論です。